毎年、この時期に、母校の教育学部の一年生に授業をさせてもらっている。
呼んでくれるのは、角先生。
情報や技術科の教授だ。
角先生は、大学と地域を、若者と社会人を、人と人をつなぐ名人で、角先生の周りには、いろんなタイプの面白い人たちがたくさんいる。
学生時代、「豊かな海作り大会」が佐賀で行われた。角先生はちょうど「ふるさと映像塾」というのをやっていた。
その大会のオープニングに短い映画を作ることになり、角先生のゼミのにいた同級生の山崎くんがその映画の主役に抜擢された。ヒロインは医学部のミスキャンパス。そしてたまたま山崎くんの周りにいた僕が音楽を担当することになったのだった。
その頃、作曲といってもピアノで合唱曲を書いて譜面にするくらいのことしかできなかった僕に、パソコンでの音楽制作のチャンスを与えてくれたのが、角先生だった。映画づくりの予算で、音楽制作の機材を、買い与えてくださったのだ。期待に応えねば、と、猛勉強した。
短い映画だったが、みんなでやり遂げた感動は、卒業演奏会で発表した合唱の時の感動と似ていて、映画作りって、楽しいなぁと思った。ミュージカルも一緒だ。やればやるだけ、終わった時の感動は大きい。
あの時の恩があるので、角先生からいただくこの授業の一コマは、毎年一生懸命やろうと思っている。
今日は100名ほどの一年生に歌と話を聞いてもらい、「音楽やミュージカルや映像のことで、何か一緒にやってみたい人がいたら、後日、角先生の研究室で座談会するから、希望者は感想の紙に書いてね」と呼びかけて、終わった。
さて、どんなメンバーが、来てくれるかな。18歳の教育学部、「何かやりたい」と思ってくれた、未来の仲間たちに会うのが楽しみ。